わたし:ただいま。あれ、機嫌が悪そうですね。
先生:何時間もどこへ行っていた?
わたし:ちょっと、その辺まで。
先生:ご近所の挨拶じゃないんだから、そんなそっけない言い方はないだろう。
わたし:寂しかったですか?
先生:バカ言え。鳥が寂しがるか。
わたし:また、強がって。
いつも同じようなことをしていると、たまには気晴らしをしたくなるんです。
先生:だから、どこへ行って来たんだ。
わたし:カゴの鳥の先生には申し訳なくて、言えません。
先生:なに! 一人でそんな良いところに行っているのか。
隠さずに教えろ。
わたし:あっ!お客さんだ。
先生:ごまかすな。今日は休みにしただろう。
わたし:そうでした。なんか先生の追求が厳しいので。
先生:なんか酒のにおいがするぞ。
わたし:そんなはずはありません。
昼間っから飲んだりするわけないじゃないですか。
先生:本当にワシの勘違いか? 目もトロンとしている気がする。
それにしても、酒しか気晴らしの方法がないなんて惨めだな。
わたし:だから、違うって言っているじゃないですか。
先生:いい、いい。そんなにむきに否定しなくても。
誰にも言わんから。
そうか。お前はそんな気晴らししかできんのか。
鳥のワシでもちょっと、優越感を感じるのぉ。
わたし:(本当は、雨なので仕事をサボってささやかな
ボッチ酒を楽しんできた。先生に気づかれませんように。)
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