わたし:先生は夜、何をしているのですか?
先生:寝てる。
わたし:でも、この店が暗い時間は長いですよね。ずっと寝ているのですか?
(先生の砂浴び場兼寝室は、この店の中にあり、夕方5時頃から翌朝9時頃まで
約16時間も真っ暗になっている。)
先生:ワシの睡眠はコマ切れなので、ずっと寝ているという訳じゃない。
わたし:熟睡できないのですか?
先生:ワシにもよく分らんが、鳥の習性なのかも知れん。
それにここは車の音がよく聞こえるので、それも気になる。
わたし:たしかに大きな病院があるので、救急車も頻繁に通りますし、
県道沿いだから大型ダンプも多いですね。
先生:それに歌もずいぶん聞こえる。
わたし:隣と上がスナックですからね。カラオケを楽しんでいるんでしょう。
先生:でも、車の音よりは歌の方が良い。
時々騒音のような歌もあるけど、まあ子守唄のように聞いているよ。
わたし:カラオケが好きな人は多いですからね。
先生:でもなんであんなに大きな声で歌うんじゃ。
わたし:声が大きいじゃなくて、マイクを使って声を大きくして
歌っているんですよ。
先生:狭い所で、あんなに大きくしなくても聞こえるじゃないか。
わたし:私も歌う時にはマイクを使うと、なんか自分がうまくなったような
気がします。
そういえば、先生も時々悲鳴のような声を張り上げますね。
先生:悲鳴じゃと。雄叫びと言って欲しいな。
わたし:ここで勇ましく叫んでも。メスには聞こえませんよ。
先生:でも声を張り上げるとすっきりする。カラオケと同じじゃ。
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