パパチャリ市場

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16 寂しい

わたし:昨日は私が一日店を留守にしたので、寂しかったでしょう?


先生:何が寂しいじゃ。鳥にはそんな感情は無い。
  人間は一人でいることが苦手なようじゃのう。

 

わたし:まあ、皆がそうなわけじゃありませんが、
  一人でいるより誰かといたがりますね。私もそうです。

先生:そうか。お前さんも誰かと一緒にいたいんだ。
  でも、そう言ってもお前を訪ねて来る人は少ないのではないか。
  まあ、お客さんは別にして。

 

わたし:私が訪ねていくことの方が多いので。


先生:本当にそうか? 訪ねる友達がいないんじゃないのか。
  電話も仕事の電話ばかりのようだし。

 

わたし:なんで私の話になるんです。
  鳥だって群れでいることが多いんじゃないですか。
  やっぱり、誰かといたいんじゃないですか。

 

             

先生:あれは寂しいからじゃなくて、外敵から身を守るためじゃ。

 

わたし:本当ですか? 強がり言ってるんじゃないですか?
  この前もここに初めて来たときにメスと一緒だったら
  心強かったと言ってたじゃないですか。

 

先生:あれは2匹の方が、がさつな飼い主に立ち向かい易いと
  思ったからじゃ。

 

わたし:じゃ、夕方頃になるとよくㇰ〜ン、ㇰ〜ンと鳴くのはなんですか。
  あれは寂しくて、かまって欲しいからじゃないんですか?

                            

先生:バカ言え。
  あれは喉の調子をみているだけだ。

 

わたし:でも、地面に頭をすりつけるようにして、
  あんな声で・・・喉の調子を見るんですか?

 

  分かりました。
  それじゃこれからは、鳴いても知らん顔してます。


 (いつもはそんな鳴き声が聞こえると、歯ブラシの柄で、喉のあたり
  を撫でてあげている。)

 

先生:まあ、急に変えず、これまで通りで良いんじゃないか。

 

わたし:まったく、素直じゃないんだから。

 

 


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