わたし:昨日は私が一日店を留守にしたので、寂しかったでしょう?
先生:何が寂しいじゃ。鳥にはそんな感情は無い。
人間は一人でいることが苦手なようじゃのう。
わたし:まあ、皆がそうなわけじゃありませんが、
一人でいるより誰かといたがりますね。私もそうです。
先生:そうか。お前さんも誰かと一緒にいたいんだ。
でも、そう言ってもお前を訪ねて来る人は少ないのではないか。
まあ、お客さんは別にして。
わたし:私が訪ねていくことの方が多いので。
先生:本当にそうか? 訪ねる友達がいないんじゃないのか。
電話も仕事の電話ばかりのようだし。
わたし:なんで私の話になるんです。
鳥だって群れでいることが多いんじゃないですか。
やっぱり、誰かといたいんじゃないですか。
先生:あれは寂しいからじゃなくて、外敵から身を守るためじゃ。
わたし:本当ですか? 強がり言ってるんじゃないですか?
この前もここに初めて来たときにメスと一緒だったら
心強かったと言ってたじゃないですか。
先生:あれは2匹の方が、がさつな飼い主に立ち向かい易いと
思ったからじゃ。
わたし:じゃ、夕方頃になるとよくㇰ〜ン、ㇰ〜ンと鳴くのはなんですか。
あれは寂しくて、かまって欲しいからじゃないんですか?
先生:バカ言え。
あれは喉の調子をみているだけだ。
わたし:でも、地面に頭をすりつけるようにして、
あんな声で・・・喉の調子を見るんですか?
分かりました。
それじゃこれからは、鳴いても知らん顔してます。
(いつもはそんな鳴き声が聞こえると、歯ブラシの柄で、喉のあたり
を撫でてあげている。)
先生:まあ、急に変えず、これまで通りで良いんじゃないか。
わたし:まったく、素直じゃないんだから。
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