わたし:先生は変な癖がありますね。
先生:変な癖とはなんじゃ。
わたし:散歩の時、私が近づくと突然伏せの姿勢を取って動かなくなることがありますね。
(散歩とは、朝夕は先生を鳥かごから出して、30分位店の中を自由に歩かせてあげること。
わたしがうっかり踏み潰さない様に段ボールなどで仕切って2m四方位の散歩エリアを作ってあげるが、先生は狭いエリアを嫌ってか、たびたび越境して私の仕事エリアに入って来る。)
先生:あれか。自分でも何でだか分からないが、自然と身体がそういう姿勢を取ってしまうことがあるんじゃ。
わたし:私が先生のことを注意している時だったらいいですけど、
仕事をしていて先生のことを忘れていたら、踏み潰してしまうかも知れません。
先生:踏み潰さないで欲しい。
わたし:普通、小さな動物は大きな人間が近寄ってくれば、自然と逃げるもんじゃないですか。
先生:ワシも普段は逃げるが、伏せの姿勢をとってしまうと動けない。
わたし:鳥かごの中でも、棒などで突っついても、伏せをすることがありますね。
先生:別に誰かに害を与えている訳じゃないから良かろう。
わたし:一つ提案があるのですが。
先生:なんじゃ。
わたし:お客さんが来て、先生を見ている時に、私が「伏せ」と言ったら
伏せの姿勢をとってもらえませんか。
先生:なんだと。私に犬のマネをさせるのか。
わたし:でも、犬がやってもたいして驚かれませんが、鳥がやったら先生の評判が上がりますよ。
先生:嘘をつけ。お前はワシを見世物にして、タダでお客を集めようとしているだけじ
ゃないか。
わたし:バレたか。
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